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フロイドメイウェザージュニアのラストファイト(引退試合)となった
マニーパッキャオとの2015年5月2日に行われた試合。
「地球が揺れる日」として世紀の一戦と銘打たれた試合でしたが、両者が得た報酬も規格外でした。
ファイトマネーとPPVで300億円余りのカネが動いたメイウェザー対パッキャオ戦の報酬の配分の分配方法を紹介していきます。
絶大的人気を誇るパックマンの方がファイトマネーが低い訳とは・・・?
ファイトマネー300億円の内訳とは?
プロボクシングの世界戦は3分×12ラウンドの合計36分間。
もちろんその試合に至るまではハードな練習や過酷な減量などがある訳ですが
メイウェザーVSパッキャオ戦は、
このわずか36分間の戦い二人合わせて300億円以上のファイトマネーを得ました。
この巨額のファイトマネーの内訳とは一体どうなっているのでしょうか?
ボクサーの収入=ファイトマネー+PPV
今回両者合わせて300億円以上のファイトマネーを稼ぎ出した世紀の一戦。
一口にファイトマネーといっても、その内訳は大きく2分されます。
一つは、単純なファイトマネー。
これは試合の勝敗や結果に関係なく試合前から決まっています。
そしてもう一つは、PPVの売り上げに応じた分配金。
いわば単純なファイトマネーは試合を行うことによって得られる最低保証額。
PPVは売上に応じて得られるオプションといったところです。
それらをまとめてファイトマネーと総称するケースがほとんで、
今回も最低保証額+PPV売上に応じた分配金が300億円を超えるに至りました。
PPV(ペイパービュー)とは?
ボクシングの本場アメリカにおいて、
PPVの売り上げがボクサーの重要な収入源となることは分かっていただけたと思います。
ではそもそもPPV(ペイパービュー)とは何なんでしょうか?
PPVとはボクシングを始め、アメフトなどのスポーツでも取り入れられているシステムで、特定のイベントごとに視聴料を支払ってTV観戦するシステムのことです。
逆に、普段の無料チャンネルではそれらのイベントや試合は放映されないため、試合を見たければ視聴する権利を購入しなければいけないのです。
パッキャオ対メイウェザー戦を例に挙げると、1万800円の視聴料が必要でした。
そしてその契約数はなんと440万件と過去最高の記録を更新したのです!
PPVの売り上げだけでも480億円に達することから、それらが分配される両者のファイトマネーが合計300億円を超えることもうなづけます。
最近では、
大勢で観戦できる「クローズド・サーキット」というシステムも登場しており、
この辺は日本のボクシング界に比べ大きくビジネスモデルとして進んでいる気がします。
人気は8対2!でも配分は4対6な訳とは?
フロイドメイウェザージュニアとマニーパッキャオのメガファイト。
両者の得た収入は合計300億円を超えることは分かりましたが、
実際の取り分となる配分はどうなったのでしょうか?
実際の会場の詰め寄せたファンの状況を見てみると、
パッキャオファンが8割でメイウェザーファンは2割。
フィリピン人でもアメリカで大人気のパッキャオに対し、
最近すっかりヒールキャラの定着したメイウェザーは終始ブーイングを受け続けました。
しかし、
二人のファイトマネーの配分はメイウェザー60%に対しパッキャオは40%でした。
この試合は世界ウェルター級王座の統一戦として行われたタイトルマッチでしたが、
WBAとWBCの2つのベルトを持つメイウェザーに対し、WBOのベルトを持つパッキャオが、
メイウェザーを興行の主役と認める形で、6対4でファイトマネーを配分することに至りました。
対戦実現に実に5年以上も交渉の時間を要していたメガファイトですが、
ファイトマネーの配分に関しては、パッキャオが譲歩した形になりました。
メイウェザーはボクシングビジネスの超進化型だった!
現在のアメリカのボクシング市場において、
PPVの売上は選手のファイトマネーに大きく影響を与えます。
むしろ、PPVの売上が低いボクサーは
強くても「試合を組んでもらえない」状態に陥ります。
「いかに面白い試合をしてPPVを売れるボクサーであるか」ということが
ボクシングの実力以上に重要視されているのです。
しかし、メイウェザーは人気もパッキャオに劣るし、
ファイトスタイルも守備的で面白くないのに、なぜPPVが売れるのでしょうか?
それはパッキャオのファン層以上にいる「アンチ・メイウェザー」層の存在があります。
メイウェザーは、
これまでも数多くのスキャンダルやトラブルを起こし、話題を集めてきました。
そしてすっかり「ヒール」な印象をボクシングファンに植え付けました。
その結果、今回のパッキャオ戦でも「メイウェザーが負けるところを見たい!パッキャオならあのメイウェザーを倒してくれるかもしれない!」という期待を抱いて皆1万円以上の大金を支払ったのです。
それでもそんなアンチの声にも動じることなく、
実際の試合では、終始冷静に判定勝ちを狙いにいく子憎たらしいメイウェザーの姿に、ファンは大ブーイングを送りました。
こうして、ファイトスタイルだけとれば「面白くない試合をする=PPVが売れない」ことを逆手に取り、私生活や言動でヒールを演じることでアンチファンを増やし、毎試合圧倒的なPPVの売上を誇るフロイド・メイウェザー・ジュニアは、現代のボクシングビジネスの超進化形と呼ばれています。
まとめ
以上、メイウェザー対パッキャオの300億円以上のファイトマネーの内訳から、
両者の配分方法まで紹介してきました。
アメリカで活躍するためにはPPVの売上が非常に重要なわけですが、
今後ラスベガス進出を目論む井上尚弥や日本人ボクサーも
これを見込んだ「魅せる試合」をしていく必要がありそうです。
また、パッキャオに関しては現役復帰もして、
日本で「パッキャオジム」のオープンを控えるなど今後ますます活躍が期待できそうです。