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アマチュアボクシングの国際的組織AIBAは
2016年6月1日にスイスで臨時総会を開きました。
議題は「オリンピックのプロ選手の出場解禁」についてです。
結果は賛成多数で可決となり、
リオ五輪以降のプロボクサーのオリンピック出場が全面解禁されることが決定しました。
リオ五輪開催2か月前にして飛び込んできたビックニュース。
プロへの門戸開放で、日本人選手の中で最も期待できるプロといえば井上尚弥でしょう。
プロ解禁で井上尚弥が2020年の東京五輪でメダルを獲得する可能性や、プロ出場に反対の姿勢を示している日本ボクシング連盟の反応等を紹介していきます。
五輪のボクシングにプロ解禁!アマチュアとの違いは?
今回、オリンピックで開催されるボクシングで
プロ選手への門戸が開放されたことは歴史的に非常に大きな出来事になりました。
そもそも同じボクシングなのに、
アマチュアとプロで何故区別されていたのでしょうか?
アマチュアとプロとの違いは、まず階級の違いです。
プロでは男子が全17階級に分けられているのに対し、
アマチュアは10階級にしか分けられていません。
それだけ1階級ごとの体重差が大きくなっています。
また、ラウンド数もプロでは4回戦から始まり
世界タイトルマッチでは12ラウンドを行うのに対し、
アマチュアでは国内予選からオリンピック決勝でもすべてわずか3ラウンドで行われます。
プロの世界では12ラウンドを戦い続けるスタミナが要求されるのに対し、
アマチュアの3ラウンドではより速いテンポで動き続けることが要求されます。
プロとアマチュアの試合を見比べればそのテンポの違いに驚かされます。
つまり、拳のみで戦うというルールは一緒ながら、
要求される能力や細かな練習方法は随分と違ってくるのです。
通常のスポーツであれば、
アマチュア選手はプロを目指して鍛錬を積みますが、
ボクシングの場合は必ずしもプロの方が競技力が勝るということではないため、
野球やサッカーなどのスポーツにおけるプロ・アマの感覚とは異なる「違い」があるのです。
現に日本においても
プロボクサーになるためのプロテストの合格率は約50%近くもあるのです。
その中の8割以上は
競技経験が1年未満でアマチュアの試合経験すらないボクサーです。
井上尚弥は東京五輪で勝てる?メダルの可能性は?
ボクシングにおいてプロ・アマはどちらが強いのではなく、
全く違う競技であることは説明してきました。
しかし、現在日本で最強のプロボクサーと言われる井上尚弥は
小学生時代からの豊富なアマチュアキャリアを糧に
高校卒業と共にプロボクシングの道に入った、いわば「アマチュアエリート」です。
高校時代にはロンドン五輪の予選に出場するも、
あと一歩及ばなかった悔しい経験もしています。
現在23歳の井上尚弥は
2020年の東京五輪には27歳で選手としてのピークを迎えていることでしょう。
アマチュアエリートながら、
プロの世界で12ラウンドの戦いに慣れた井上が
オリンピックの3ラウンドの戦いに修正してメダルを獲得することは
果たしてできるのでしょうか?
結論としては全く問題ないと思われますが、
唯一井上尚弥に不利となるのが、、、
プロとアマの「グローブの違い」です。
プロの8オンスの軽くて薄いグローブに比べ、
アマチュアのグルーブは10オンスと重く
ナックルのクッションも非常に厚くノックアウトしにくい設計になっています。
ハードパンチャーが売りの井上尚弥にとっては
自分の長所が活きないことになります。
それでも攻防兼備の井上尚弥のスタイルなら
メダル獲得はほぼ間違いないでしょう。
もともとはアマチュアボクサーとして
オリンピックの金メダル獲得を目指して練習に励んでいた井上尚弥ですから、
プロ解禁となれば「五輪でメダルを狙う」選択肢も出てくる可能性は大いにあります。
大橋ジムの会長や本人の今後の言動に要注目ですね。
プロ解禁も日本ボクシング連盟は「反対!」WBCも「反対!」
今回の五輪へのプロ解禁は2016年に始まった話ではなく
2015年末から話題として挙がってきており、
WBCなどの国際的なプロボクシング団体や
AIBAや日本ボクシング連盟などのアマチュア団体が意見を述べてきました。
日本ボクシング連盟の山根明会長は
かねてより「五輪のプロ解禁には反対」の主張をしており、
今回の解禁決定ですんなり日本人プロボクサーの出場を認めるという流れにはいかなさそうです。
有望なアマチュア選手のプロ転向を阻止する施策を推し進めるなど、
プロとアマの差別化を推進してきた山根明会長ですから、
井上尚弥の五輪出場には日本ボクシング連盟の承認が大きな障壁となりそうです。
また、国際的に見ても
WBC(世界ボクシング評議会)は既に
「五輪出場選手は世界ランキングから除外する」と反対の意思を表明しています。
井上尚弥の実力的には東京オリンピック出場が果たせれば
自ずとメダルがセットで付いてくるはずですが、
このような個別のアマ・プロ団体の「反対」の意思表示もあり、
五輪出場は一筋縄ではいかないでしょう。
まとめ
2016年のリオ五輪まで2ヶ月と迫るも、
ボクシングでの出場権獲得者はライト級の成松大介(なりまつだいすけ)ただ一人と非常に寂しい状況です。
プロ解禁を機に
2020年の東京五輪ではアマチュアやプロにはこだわらず
井上尚弥のような「本当に強いボクサー」「最もメダルの可能性が高いボクサー」が出場できるようになるといいですね。
井上尚弥の実力からすればメダル獲得の可能性は非常に高いですから、
日本ボクシング連盟と山根明会長の反対姿勢が今後どうなるかには要注目ですね。
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